公務員は、65歳定年延長がスタートしている。民間で3社に1社が65歳定年を迎えている現状では、当然の見直しといえる。本来であれば、官民の「官」が先行し「民」が追随する流れを作るべきだから、ちょっと遅い動きともいえる。制度としては「リタイア・シフト」にフィットしているものか、少し見てみよう。
国家公務員の60歳以降の働き方について (概要) 令和8年4月 人 事 院 給 与 局 内閣官房内閣人事局
上記資料を参照するところ
・2年ごと1歳ずつ65歳へ定年年齢を引き上げる
・役職定年制を設け、60歳に達した管理監督職の職員は非管理監督職ポストに降任する
・60歳に達した職員の給与は、61歳に達する年度から基本給が7割支給に下がる
・退職手当については、60歳以後定年前に退職した者は、定年退職と同様に退職手当を算定
・希望者は60歳に達した日以後、定年前退職者を短時間勤務ポストに再任用できる
あたりがポイントとなっているようだ。
まず、2年ごとの定年年齢引き上げは理解できる。2つめの役職定年制もまあ、分かる。役職定年制は不要ではないかと思うが、実情に応じて役職を継続することは可能のようだ。
3つめは、民間の実態を踏まえて、と説明しているが60歳時点で3割の給与減額を前提としているのはあまりよいアプローチではないと思う。言い換えれば「3割ダウンした分、業務内容は何をダウンさせる」のだろうか。もちろん、こういう処遇をやると60歳代前半の職員のモチベーションは下がる。こういうところで民間を真似ることはない。
4つめは、適当だろう。民間企業でも55歳超の自己都合退職については退職金を減じない取り扱いが一般的で、「もう60歳を過ぎたし辞めたい」という人を定年前田からと自己都合退職と解釈して退職金を減じるのは適当ではない。
5つめも、適当だろうか。正職員として働くのはもう辞めたいが、短時間勤務で再任用なら、もう少し居続けても、という選択肢を残すことはリタイア前後の選択の余地を広げる意味でも有効だ。
公務員の現場でも、人材不足や70歳現役社会への移行を踏まえた「リタイア・シフト」が進められている、というわけだ。



