日本総研が 「長寿社会」の到来に際し、企業に求められる成長戦略と組織変革をまとめたホワイトペーパーを発表 したことを教えていただいた。公開されたのは2026年8月27日のようだ。
長寿社会に適応し、成長機会を取り込むための経営変革をロンジェビティ・トランスフォーメー
ション(LX)と定義する。
LXとは、長寿によって変化する顧客、市場、従業員、地域社会を前提として、事業、顧客接点、組織、人材戦略を再設計し、長寿社会を成長機会として活用すると同時に、高齢化による経営リスクに対応する経営変革である

高齢化をネガティブファクターとしてのみ捉えるのではなく、LX戦略のもと事業機会の創出に結びつけたり、組織改革に結びつけることでさらなる成長戦略となりうることを示唆している。この中で「リタイア・シフト」的に興味深いのは、組織戦略の部分であろう。概念図では「3.攻めの組織戦略」がシニア人材活用を、「4.守りの組織戦略」が組織改革による仕事との介護の両立や就労の多様化などの長寿社会に即した組織制度改革を指摘している。組織戦略部分を具体的に示したのが下記図だ。

現役世代の働き方はこれまで一律に管理されてきたが、これからは柔軟な対応が求められる。子育て世帯だけが柔軟な労働時間を許されるのではなく、ひとりひとりがもっと自由に働き方を選べることが必要だ。特にシニア人材の活用の視点では、重要なポイントである。
ところで書籍「リタイア・シフト」では、上図のシニア世代およびその前段階でのリスキリングについてはあまり触れていないが、その重要性を否定するものではない。スキルのアップデート及び新規獲得を60歳前後で行えれば、閑職に回すような労使双方に不毛な人事を行わずにすむ。リスキリングのテーマは「リタイア・シフト」時代に突入するアラ還世代にとって、そして会社にとって一層重要な課題となるだろう。

