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企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任 | 東京商工リサーチ

東京商工リサーチのTSRデータインサイトで「企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任」が掲載されています。

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。近年は賃上げによる基本給の上昇を反映し結果的に退職金も増額される、または退職金を新規導入する事例が増えている。だが、退職金前払いで給与を高くして人材募集に動く企業も出てきている。2023年以降に限っても「変更していない」は70%強にとどまっており、退職金制度のあり方は曲がり角を迎えているようだ。

物価上昇時代に賃上げを行うことは重要である。しかしスキルも未熟な新卒のためだけに賃金原資を高配分するくらいなら、シニア人材の処遇を改善して企業の生産性に寄与してもらったほうが合理的ではないか。なにぜ60歳代の人材は「技能習得済み(研修コストは新人より安くてすむ)」「離職リスク低(若い人材のように簡単に転職はしない)」「処遇改善で会社に対するエンゲージメントも高まる」等のメリットが多い。新卒初任給30万円競争は、新卒採用に人材獲得が偏重している仕組みの限界をも意味しており、「リタイア・シフト」時代に合わせたシニア処遇を考えてみてはどうだろうか。

また、本調査で興味深いのは報道で話題になるほど「退職金を減らして給与アップ」のようなアプローチは少なく(2%未満)、むしろ物価上昇などを反映して「退職金アップ」としている企業のほうが多い(8%弱)ということだ。65歳定年も、退職金を引き上げていく一因となるだろう。

結果として会社員の老後の安心は高まっていく。安易な退職金廃止は、短期的な受けはいいだろうが、長期的にみると会社に対するエンゲージメントを損なうのではないだろうか。

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